バトルスの魅力と評判について

評判の良いバトルスのアルバム・ドロスグロップ

日本国内でも人気が高まっているポストロックですが、日本でもそれを演奏するバンドが数多く登場しています。世界中で人気となっているポストロックで、最も知られたバンドと言えばバトルスでしょう。バトルスはポストロックだけでなく、ポスト・ハードコア、プログレッシヴ・ロックなどのジャンルを吸収しており、日本の音楽ファンから高い評判を得ています。中でも2012年にリリースしたドロスグロップは代表作とされています。

 

バトルス結成から現在までの歴史

バトルスは2002年にニューヨークのブルックリンで結成されました。そのサウンドからエクスペリメンタルロックバンドと呼ばれ、2007年にオウテカやフライング・ロータスなどのエレクトロニカ、電子音楽などの大物アーティストが在籍する、ワープ・レコーズからデビューしました。ギターとキーボードを担当するイアン・ウィリアムスは、ポストロック界の重鎮バンドであるドン・キャバレロのメンバーであったため、デビュー間もなくから話題となり一気にブレイクを果たしました。日本でも話題となり、2007年にはフジロックフェスティバルにも出演しています。特にファーストアルバム・ミラードに収録されているアトラスという楽曲が高い評判を得ており、ミラードは多くの音楽雑誌などで取り上げられました。
バトルスは世界中の音楽シーンに大きな影響を与えており、その先進的なサウンドでアーティスティックな雰囲気を出しています。そのため、カフェやアパレル、イベントなどでバトルスのサウンドが良く流れています。そのライブパフォーマンスも唯一無二とされており、その緻密なビートとリズムを圧巻のダイナミズムで再生するサウンドは世界中の音楽ファンを魅了しています。

 

メンバーの脱退を経て活動を続ける

バトルスの結成当初は4人で活動をしていました。そのメンバーは結成以前から豊富なキャリアを持っており、イアン・ウィリアムスはドン・キャバレロやストーム・アンド・ストレスで活動をしていました。デイヴィッド・コノプカは元リンクス、ジョン・ステイナーは元ヘルメットのメンバーとして知られています。また、タイヨンダイ・ブラクストンはフリー・ジャズ界の巨匠アンソニー・ブラクストンの息子です。これだけキャリアを持ったメンバーが揃っているため、デビューから新人とは思えないクオリティーの作品をリリースしていました。
しかし、タイヨンダイ・ブラクストン2009年にソロ・アルバムセントラル・マーケットをリリースし、2010年にバトルスを脱退してしまいます。オリジナル・メンバーを失ったバトルスですが、新たなメンバーを加入させることなくゲストヴォーカルとしてゲイリー・ニューマン、マティアス・アグアーヨ、ブロンド・レッドヘッドのカズ・マキノ、ボアダムスの山塚アイなどを招いて、2011年にセカンド・アルバムのグロス・ドロップを発表しました。

 

グロス・ドロップの新たなサウンド

セカンド・アルバムのグロス・ドロップには4人のゲストヴォーカルを採用したこともあり、これまでのバトルスをより進化させたサウンドとなりました。さらに、グロス・ドロップ制作について、今までのスタイルを続けるのではなく新たなサウンドを作ることを目的としました。そのため、今までのように「凄い楽曲を作る」という考え方とは大きく変更した、「自分の身体の中から湧き上がる自然体の曲作り」というスタイルを行いました。これによって、本当にメンバー自身が聞きたいと思えるサウンドを作り出すことに成功したのです。その新たな音が世界中の音楽ファンを熱狂させ、2011年には再びフジロックフェスティバル出演を果たしました。グロス・ドロップは音楽ファン以外にも各音楽メディアからも高い評価を得ています。日本国内のCDショップでも好調なチャートアクションを見せました。

 

そして、2012年にバトルスはアルバム・ドロスグロップをリリースします。このアルバムは通常と異なったリミックス・アルバムで、セカンド・アルバムのグロス・ドロップをリミックスした内容となっています。そのようなこともあり、アルバムタイトルもグロス・ドロップをもじったものになっています。

 

リミックス・アルバムのドロスグロップの内容

ドロスグロップはリミックス・アルバムというスタイルですが、単なるリミックスに留まらず新たな世界観を確立することに成功しています。リミキサーを担当したのはハドソン・モホーク、ギャング・ギャング・ダンス、山塚アイ、さらにはフィールド、コード9、ギ・ボラットなどの豪華なメンバーです。これによってバトルスのサウンドセンスがさらに洗練されたものになりました。
しかし、これだけ個性の強いメンバーがリミックスを担当しているにも関わらず、バトルスの原曲の魅力は一切失われていません。ファンであれば一聴しただけでバトルスと分かるサウンドです。これはバトルスの楽曲が普遍性を持ったものであるということを証明しています。このリミックス・アルバムは、あらゆる音楽ファンにとってマストアイテムになることでしょう。
また、本作の魅力はアートワークにも表現されています。アートワークを担当したのはメンバーであるデイヴ・コノプカ。赤・黄色・緑・水色のペンキが撒かれたようなデザインで、毒々しさの中に美しさを持っています。デイヴ・コノプカは前作のアートワークも担当しており、前作を踏襲したデザインとなっています。アートワーク面でもリミックスがされているのです。

 

音楽ファンにオススメの評判のアルバム

バトルスのファースト・アルバムであるミラードは独自の緊張感を持っていたため、コアな音楽ファンを中心に高い評判がありました。しかし、本作はそういった部分が減退しているため、より多くの音楽ファンにアピールできるという評判があります。したがって、これまでポストロックやハードなサウンドに抵抗のあったリスナーでも、十分にオススメできるアルバムです。
さらに、バトルスを楽しむのであればライブは欠かせません。今後の来日情報は要チェックです。

 

また、ドロスグロップやセカンド・アルバムのグロス・ドロップのリミックス・アルバムです。本当にその魅力を堪能したいのであれば、聞く比べをする方が良いでしょう。原曲の魅力をさらに洗練したサウンドに魅了されること間違いありません。

ホーム RSS購読 サイトマップ